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群馬出身の望郷男と、群馬県のこと知らない他国者が、勝手に書き込んでいるブログです
2017年 07月 02日

「きびそ」ったぁなんだんべぇか?

(796)きびそってなんだぃ?


お蚕に関係する話んなるとつい熱がへぇっちゃって、長くなっちゃうけど、読んでみてくんない。

そもそもこの話を書くべぇと思ったんは、このことから・・・。

富岡市長岩井けんたろう氏のブログより

群馬県富岡市では市庁舎を建て替えています。
その一部が出来上がり、一部分だけ引っ越ししました。

一階から二階に上がる階段の右側の壁には・・・

世界遺産・国宝となった富岡製糸場のある「富岡市」ですから、フロアの壁紙はお蚕が作った繭が原料となっています。
碓氷製糸が繭から生糸を繰糸する際に出る不用物となる「きびそ」を使用したものです。富岡市内の養蚕農家、また群馬県内の養蚕農家が生産した繭からできています。「群馬シルク」です。

玄関ホールから2階へは、階段のほかエレベーターもありますが、階段では右脇の「きびそ」の壁紙を見ながら2階へ上がっていただきます。

これが一階玄関ホールから二階につながる階段です。
「きびそ」ったぁなんだんべぇか?_a0290852_9193210.jpg




さて、その「きびそ」っつうなぁなんだんべぇか?。

「きびそ」なんつうもなぁ、俺も知らなかった。
俺のお弟だったら、蚕のことを勉強してるから知ってるかもしんねぇけどな。

群馬県富岡市の市役所の内装にきびそが使われてるっつうんで、きびそってなんだんべぇ?と思って、グーグルで検索してみたんさぁ。
そうしたら山形県の鶴岡市のことべぇ出てきて、群馬県のことなんか出て来ねぇんさぁ。

読んでみると、どうやら蚕の繭の外側の糸らしいことがわかったんさぁ、だけど、繭の外側の繊維は「けば」っつったけど、きびそとおんなじもんでどっちかが方言なんだんべぇか?。


前にもブログに書いたことがあるけど、蚕のことをおさらいしておくっつうと。

蚕が繭を作るだんべぇ、そうすると繭の中にいる蚕はさなぎになっちゃうんさぁ。
そのまんま置くと繭ん中でさなぎが羽化して蛾になるんだ、その蛾は繭を食い破って出てきて、交尾して卵を産む、その「蛾」が生んだ卵が孵化すると、3mmくれぇの毛虫んなるんだ。ここからが「蚕」の始まりだ。それが桑の葉っぱを食って、最初に脱皮すると、白い虫(よく写真で見る蚕)になるんだ。

その虫があと4回ばっか脱皮して、桑を食いてぇだけ食わせてやると最後にゃぁ、
「はぁ、食いたくねぇ」っつうように食わなくなるんさぁ。
そして、上半身を上に向けて、じっと動かなくなっちゃうんだ。
蚕は桑を食わねぇで糞だけ出すから、だんだん体が透き通ったようになってくる。
それを「ずー」っていった。

その時でも個体差があってまだ桑を食ってるやつもいるから、ずーになったやつだけを拾い上げて、「まぶし」っつう繭を作るところぃ入れてやるんだ。
そうすると蚕は自分の口から繊維を出して、そのスペースの中のあっちこっちから糸を引っ張ってきて繭の形んなるように作っていくんだ。
そん時に吐き出す糸が「けば」になる、ごつごつの荒っぽい糸だ。
「きびそ」ったぁなんだんべぇか?_a0290852_13223858.jpg


そしてだんだん自分の体の大きさに合わせて繭の形を作り始める、その時に出す繊維を「きびそ」っていう部分になるんさぁ。
この写真の繭のまわりの綿みてぇのが「けば」だ。
そうして、だんだん繭の形にしていく。
どうやらそん時に使う(蚕が吐く)糸がきびそって言うらしい。
このときはまだ蚕も初心者なんできれいないい糸はつくれぇえらしい、これも太いごつごつしたような硬い糸を出すようだけど、これが結果的には繭の外側を丈夫にして、外敵から蚕自信を守るシェルターの外壁になるわけだ。
だから繭の外壁材が「きびそ」っつう分けだ。

蚕も糸の出し方を覚えて上手に均質の糸を出せるようになるとこんだは、内装工事だ。これがいわゆる「シルク」として珍重がられる繊維になるっつうわけだ。
そして繭本体の形に外側から作っていく。この時の繊維が、一番上質の絹になるんだ。
この時の糸は中切れ無しの一本の糸で1200m~1500mもあるらしい。
繭の形が完成するころにはあの白い蚕は茶色の「蛹=さなぎ」になっちゃうんだ。

それから、このおさらいのトップに帰るんだ。


さて繭を作り始めてから一週間か十日くれぇで繭は出来上がって中身は茶色の蛹だ。
そうするとこんだぁ、繭ん中でさなぎが脱皮して蛾になることは上に書いた。

繭の本来の役割は、動くことも、何にもできねぇ蛹が脱皮するまでの間、外敵から身を守るための蚕自信の「シェルター」だったんだ。
蛾は繭の繊維を溶かす成分を出して繭に穴をあけて出てくる。
そうなった繭からは長い繊維は取れなくなっちゃうから商品価値はなくなる。

そうなる前に、まぶしから取りだす、これを繭掻き(まゆかき)という、そして毛羽取り機にかけて外側の「けば」を取って、中の蛹は脱皮できねぇように殺してしまう。

これが毛羽取り機 子供でも使える、俺もやったことがある
「きびそ」ったぁなんだんべぇか?_a0290852_13295665.png


この機械で繭のまわりの毛羽を取るとあの綺麗なまゆになるんさぁ。
これが毛羽を取った繭
「きびそ」ったぁなんだんべぇか?_a0290852_1022493.png


この時の繭の表面にある数%の部分が「きびそ」というわけだ。

説明だけじゃわかりずれぇだんべぇから、昔一回使った説明図
「きびそ」ったぁなんだんべぇか?_a0290852_11181581.jpg



この繭から糸ををつむぐ…この写真は、富岡製糸場がまだ世界遺産に登録される前の2012年12月8日に見学に行ったときの撮ったものだ。
「きびそ」ったぁなんだんべぇか?_a0290852_13524112.jpg


群馬男

俺のおっかさんも俺がちいせぇころにゃぁよくやってた。子供のころから好奇心旺盛だったこの少年はいつもおっかさんのやるそばで見ていた。
この写真のおばさんは、俺のおっかさんとおんなじことをやっていたんで懐かしくなって、しばらく立って見ていたっけ。
このおばさんは、左手で糸を巻きとる機械、(ざぐり)のハンドルを回しながら、右手で
鍋の中の隅の方にある繭からの糸口を、稲わらの穂先で作った筆で集めて、鍋の縁に引っ掛けとく、
その中の一本を指先で手繰り寄せて繭から糸を引き出す、この時に出るのが、きびそなんだ、ある程度引き出すとそのあとは細い綺麗な絹糸が1500mも出てくる。
今糸を巻きあげている繭の内、どれかの糸がなくなる瞬間に次の右手に持った糸の切り口をちょいと充てるとそのままほかの糸と一緒に巻き上げられていく。
そうしてざぐりに近い所でクルクル回転しながら解いて巻き上げられている繭の残り具合を見ながら、いつでも同じ数の繭から巻き上げるようにすると、同じ太さの糸が作られるわけだ。
右手の指先で手繰り上げられたきびそは次の操作を急ぐときはひとまず唇で加えていて、右手が空いたときに、入れ物に移す。
そうして集めたものを太い糸にしたものがきびその糸だと思う。
俺のおっかさんがやってた頃は、自家用の絹糸だから、きびその部分はあんまり捨てなかったようで、織った布には糸の節みてぇな物が織り込まれていたなぁ。

だからおっかさんもきびそなんつう物は気にしなかったんだんべぇ、だから俺はそのきびそっつうことばもおっかさんからきくこともなかったんだんべぇと今ごろんなって納得する。

俺の想像だけど今じゃ繰糸も機械でやるから初めにきびその部分を糸の状態で取って、それから本格的な上等の絹を取るんだと思う。それをまとめて壁紙にして、富岡市役所に使ってるっつうことだと思う。

きぼそきびその繊維
「きびそ」ったぁなんだんべぇか?_a0290852_1015785.jpg



他国者

蚕も桑も生まれてから一度も見たことのない 他国者です。


群馬男

大事なことを書くん忘れてた。
何年か前に兄貴がなくなった、百姓で、養蚕もやっていた。
その兄貴が残した桑畑がそのまま残ってた。
その倅は、百姓なっかやる気はねぇ、サラリーマンだ。
俺が、「あの桑畑はどうするんだ、誰か蚕を買ってる人に使わせたらどうだ」っつったら、今の蚕は桑ぁ食わねぇから、あんなもの何にもなんねぇんだ。今は蚕は人口のゼリーみてぇな専用のたべもの(餌)を食ってるから。

俺は初耳で、自分の耳を疑ったくれぇだった。
時代は変わった・・・・。

他国者


「きびそ」ったぁなんだんべぇか?_a0290852_23495716.jpgカイコは本来クワを食べて成長しますが、人工的に作られたえさで充分成長します。
人工えさとは蚕に必要な栄養素を配合した「ようかん」状の餌です。

人工えさは1本で20匹のカイコが育ちます。1本1000円

蚕の事何も知らない他国者が調べました。






by gunmaotoko | 2017-07-02 20:05 | Comments(0)
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群馬で生まれ群馬で育った男のブログ 今は故郷を離れ遠くの町から  こよなく群馬を愛する男と、群馬を全く知らないひととのブログです。


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